院長室 WEBLOG

院長の気が向いた時しか綴らない治療記録・症例・備忘録【ひかり自律整体療術院(つかさ接骨院)】
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滑液包つながっちゃってるんだね!

  右膝窩部内側にピンポンボールの半球大もあろうかという「コブ」を持った患者さん。
 以前、来院したことのある患者さんだが、現在、膝関節は痛くはないが関節痛の既往はある。1年半前ぐらいから徐々にコブが大きくなってきたが当初痛みはなかったので放置、経過を見ていたが、大きくなってきたので来院。


 見た目にガングリオンかと一瞬思ったが、当該腫瘤が膝窩部内側で大腿骨遠位(内側顆 LCF)に位置し、触診ではガングリオンより関節液といった感触。熱感もない。少し強めに圧迫すると鈍い痛み、似たような圧痛が腓腹筋にもある。
 また、位置が腓腹筋腱下包から半膜様筋包の若干下方までであることから、いずれかの滑液包への液体貯留の可能性が高い。

 で、エコーで観察することにした。やはり皮下に無エコー像が円形に描出され関節液の貯留と判断。関節液の貯留は別に珍しいことではないが、今回、院長日記を書く気になったのは、この患者さんは内側腓腹筋腱下包と半膜様筋包が無エコー像を呈したまま繋がっているのが珍しかったため。
 まあ、それが珍しいのかどうか国内外の疫学は知らないが、少なくともウチの患者さんでは今までお目にかかったことがなかった。まあ、バリエーションの一つと考えられる。

 繋がってるのって、ベイカー嚢胞・・・だよね?

 ついでに膝関節も内側からエコーをあてる。内側顆と脛骨の不整のないきれいなハイエコーに、変形性膝関節によくある半月板の亜脱臼もなく、ドプラーでは異所に血流もなく、炎症所見もない。内側側副靭帯もきれいなフィブリラパターンを描いている。

 手技療法の施術に移行して、20分ほど後、件の腫瘤は縮小して関節液の減少が認められた。ご自分で触ってみて患者さんも納得のご様子だ。本来なら再度エコー確認すべきだが、次の患者さんの予約時間が迫っていた。また、健側の腓腹筋腱下包と半膜様筋包はどうなっているのか診る時間がなかったのは残念。
 次回、患者さんにお願いして健側も見てみたいな。健側は両滑液包はどうなってるのか、やっぱりベイカーなのか?

 貯留した関節液に関してはリウマチ性を否定するためにも、患者さんには近医の受診を勧めておいた。

後日談:別の患者さんや院長自身の膝窩部で健側の滑液包の観察を試みたが、やはり滑膜は非常に薄い組織であるため、炎症や液体貯留がないと明確には描出できないのか、その存在すら確認は出来なかった。深度やゲイン調整しても見えてこない。今度、機会があれば研究会や学会で訊いてみよう。
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